意思決定支援【紅葉の作業療法士】
理学療法士は歩行の専門家であるが、作業療法士は何の専門家であるかと問われた場合、作業療法士は従来、高次脳機能障害、上肢機能、日常生活動作を専門としてきた。
しかし近年では「作業」の専門家である、という概念が提唱されるようになった。
人間は「何か」をして生きており、その「何か」が滞りなければ、誰にも何も相談しない。
しかし、何かの不具合が生じ、それを他者に相談したとき、それは問題として顕在化し、解決が必要な対象となる。
作業療法は、その問題を解決し、不快感なく人生を遂行できるように支援する役割を持っており、そのために作業的平衡状態に持っていくことを目指す。
これを達成するためのプロセスとしては、まず相手が十分な情報を持っていない場合に関連するデータや事実を提供し、より informed(十分な情報を得た)決断ができるようにすること、また相手の状況を理解し、専門的な知識や経験を基にアドバイスを行い、選択肢を明確にし、リスクやメリットを考慮させることが含まれる。
さらに、様々な選択肢を提示し、それぞれの利点や欠点を説明することで、相手が自分に最適な選択を見つけやすくし、ディスカッションを通じて思考の整理を助け、決断の質を高めるサポートを行うことも重要である。
また、決断後の実行を手助けするためにリソースやサポートを提供することも、意思決定支援の一環として含まれる。意思決定を支援するということは、相手の決断を尊重しながら、そのプロセスをスムーズにするための助け舟を出すような役割であり、最終的な決定は相手に委ねつつも、その過程で支えになることが重要である。